変わることのない世界で

小さな物語の断片
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ありがとうをこめて
流れる校歌にああ、こんな歌だったのかとまるで人事のように思う。いつだって終わってから何かを思い知らされることが多い。そう、いつだって終わってから色々と気づかされる、嫌になるほど。
これで“お別れ”なのだと。

今までの日常とも。

いつだって背中を見つめていた。隣を歩くなんてことできるはずもなく、そんな繋がりがあったわけでもない。クラスが同じになったことすらない、せいぜい名前を知るのが精一杯でまともに話すことすら出来なかったなんて私らしくもないなんて自重する余裕すらない。

「鮎川ー、お前いいの?」
「……いいよ、今更」

笹倉の言葉に私は力なく答えた。そんなこと改めて聞くこともないはずだ。今知り合ったところでもう卒業。最後くらいと思う人もいるかもしれないが私はそうは思わない。すぐ別れが訪れると分かっているのに知り合おうとは思わない、知り合ってしまったらそれ以上を望んでしまうから。

「笹倉こそいいの?」
「俺はいーの。知り合いだし、大学一緒だし?」

わざとらしく肩を竦めてみせる笹倉と笹倉の想い人である彩加を見比べ、その後彼の後姿を見て少し寂しくなった。でも、話しかける気はない。勇気もなければそれ以上を望むのが怖いと言う臆病風に吹かれてしまってもいる。ただ黙って見送るまでだ。

「……大学行ったらあんたより先に彼氏作ってやるんだから」
「おー、そりゃ楽しみだ」

軽口叩く余裕はようやっと搾り出したもので。だからどうか、この頬を伝う涙に気づかないで欲しい。




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やっつけ仕事★
卒業式……いつだって別れを恐れてる
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