変わることのない世界で

小さな物語の断片
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転送
自分の非力さを見せ付けられて居た堪れない気持ちになる。こうして見ているだけしか出来ないのがこんなにももどかしいなんて。

「っくそ」

閉じ込められた籠の中、檻の仲、私はこうして見てることしか出来ない。今の弱りきった状態ではこんな檻一つ壊せない……情けないにもほどがある。力が弱っていることは明らかでそれを否定したくとも出来ないのだから。
もう、手段を選んでる余裕なんてない。御せずとも御してみせる、他の時空に飛んででも。

「天空の門、時限の歪み、我が手に集え」

誰かを失うのはもうゴメンだ。

「聞け、我が願い聞き届けよ――」

私の影と、影に繋ぐものを贄に、犠牲に。



「お前、正気か?」
「何を以って正気とする?そもそも私はアイツを助けられればなんでも良かった。悪いのはお前で私じゃない」

切り取られた空間、時空の狭間、時の止まった場所。
どうしようもなくて気が狂いそうなくらいの静寂に包まれた場所、そんな場所に飛ぶんだろうなと勝手に想像していた私は思っていたのとは全くもって違う場所へ転送されたことに驚きを隠せなかった。人の気配こそ無いものの確かに生命が息づいていて、木々のせせらぎの聞こえる森の中に私たちは飛ばされたようだった。魔導の存在しない、魔力の意味を成さない別次元の世界、平行世界、並行世界、そんなところだろう。

「お前に害を与えた覚えは無い」
「よく言う。どちらにせよ同じことだ。私の力が弱りきったのは誰のせいだ」
「俺だ」

いけしゃあしゃあと言ってのける目の前の男に一発見舞ってやろうとして避けられた。
弱らせといて害を与えてないとはよく言えたものだ。あれは害とは言わないのかと詰りたくなる。

「それは害とは言わないのか」
「アイツから引き離すために致し方なくやったことだ。アイツの弱さはお前を駄目にする」
「何故言い切れる」
「気づいてないわけじゃないだろ。お前の力は強すぎて周りに影響を与える。それなりの力がなければな。だから――」
「私が力をセーブして駄目になる、と?」

分かってるじゃないか、と鼻で笑う男に今度こそ一発食らわせ私は深く息を吐いた。セーブして力の持ち腐れだと言いたいのか、セーブして弱まるような生易しい強さじゃないことは私が身をもって知っている。セーブすることによって力が行き場をなくし、暴発しかねないことは私しか知らない。

「力は私自身で制御する。他者に文句は言わせない」
「そうおもうならまずこの状況からの脱出を考えろ」

力が無力化されているこの状態で。私はどの選択をすべきなのか。
折角の転送。しかし先は見えない。
***********************
前半の流れだけが漠然と思い浮かんで書いたもの
なので後半ぐだぐだ
敵役の男が気に入ってたりします
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